書評『人生の勝算』

「あなたには人生の勝算はあるか?」と問われると、恐らくはほとんどの人が回答に困るハズである。


 
この本の著者も最初から勝算などなかった。
確かに僕とは比較にならないほどハイスペックで、新卒で外資金融に年収600万円で入社し、
入社後に起業家顔負けの努力をして、何年もかけて掴み取った「人生の勝算」のエッセンスをまとめた良書である。

結局、どのようなきれいなキャリアでも、顧客を開拓するかしかお金が貰えないことを改めて認識させられる。

その際に重要なのはどの顧客からお金を貰うかが全てであり、
そのお金を最大化させるのが仕事というゲームなのである。

そのゲームの参加権は全ての人に与えられているのだが、ゲームの仕様は少しの違いこそあれ、マゾい仕様なのだ。
長期的なキャリアプランを描けるのは国家公務員の官僚ぐらいのもので、
民間企業に務める人間や、自営業、フリーランス、特に起業家ともなれば、一寸先は闇なのだ。

そしてほとんどの人がキャリア的に何かできることがあるとすれば、
それは「目の前のことをコツコツやって、その年度の目標を達成する」ことぐらいなものである。

文章にしてしまえばたいしたことがないように見えるが、それを実現するには血反吐を吐く修羅の道なのである。

その修羅の道で拾った石ころのような「小さな成功」を積み重ね、
やがて大きな岩のようなものにすることができるかどうか。

キャリアとは、先にある何かではなく、何年後かに振り返って見える自分の足跡のようなものなのだ。
即ちそれは自分の履歴書であり、そこに書くべきものは、今年の達成率のみなのだ。

もしもあなたが達成率ベースで規定できない仕事をしていると思うのであれば、
それは目標設定が失敗していることを意味する。

そのような人はこの本を読むと、仕事とは何かを理解することができるであろう。

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